Reality is Broken
「Reality is Broken」を読んだ感想。
邦題にもあるように、幸せな未来は「ゲーム」が創る、ということを大量の具体例と結果で以て主張している面白い一冊。
とにかく熱い。熱血。筆者がゲームのことを大好きということがよくわかるし、本当に未来を変えられると考えているのがひしひしと伝わってくる。
また、知らないところでこんなに面白そうな事がいっぱい起こってるんだと考えると、世界は広いなと思い知らされます。
少々楽観的すぎるんじゃないか……という点もあるけれど、学術書でもないので別段問題はなさそう。自分と考え方が近いのでかなり興味深く読めました。ゲームが好きで、幸せな未来を創りたい人におすすめ。
内容はいわゆる、ゲーミフィケーションと呼ばれるものに近いけれど、その言葉そのものは本書内では一切出てこない。
巻末にある解説では、
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著者にとっては、個々のゲームメカニクスのテクニックよりも、それらがどのように生活の質の改善をもたらす人間の内発的報酬(ポジティブな感情、人とのつながり、活動の意味、達成感)につながるかがより重要な関心事なのであろう。
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と書かれている。
ゲームでよく使われる実績システムなどを組み込んだだけで、ゲーミフィケーションと主張しているサービスなんかは結構あって。
内発的報酬という点は重要な観点だと思いました。
エンタメの研究なんかをしていると、どうしても「幸せとは何か?」みたいな哲学的なことを考えざるを得ないので、そういう点でも参考になります。